全米テニス、メドヴェージェフが初優勝 車いすの国枝は8回目の優勝

著者 桜井 真一

テニスの全米オープンは12日、男子シングルス決勝があり、ダニール・メドヴェージェフ(25、ロシア)が初のグランドスラム(4大大会)タイトルを手にした。車いすシングルスでは、男子の国枝慎吾が優勝、女子の上地結衣は準優勝した。

第2シードのメドヴェージェフは、6-4、6-4、6-4の一方的な展開で、第1シードのノヴァク・ジョコヴィッチ(34、セルビア)に勝利した。ジョコヴィッチは、同一年内のグランドスラム全制覇にあと一歩まで迫ったが、果たせなかった。

メドベージェフはこれまで2回、グランドスラムの決勝に進んだが、いずれも敗れていた。全米オープンは2年前にも決勝に臨んだが、ラファエル・ナダル(スペイン)に敗れた。

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世界ランキング1位のジョコヴィッチは今年すでに、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドンで優勝していた。今回の全米オープンは、世界新記録となる21回目のグランドスラム優勝もかかっていた。

男子シングルスでは、ロジャー・フェデラー(スイス)とナダルもグランドスラムで20回優勝しており、ジョコヴィッチを含めた3人が最多タイで並んでいる。

ただジョコヴィッチは、同一年内にグランドスラムをすべて制覇することが、自らのキャリアで「最大の業績」になるだろうと述べていた。

サーブを武器に主導権握る

歴史に名を刻むことへの重圧からか、ジョコヴィッチはこの日、動きが終始、重たそうだった。彼らしくないミスを連発。敗色が濃厚となった終盤には、観客から大きな声援を受け、感極まった様子で涙を見せた。

いつもは際立った運動能力を示すが、この試合はかなり調子が悪そうだった。

とはいえ、それだけでメドヴェージェフが勝利したわけでは決してない。

メドヴェージェフは頭脳的なプレーを見せ、自信に満ちていた。強烈なサーブでジョコヴィッチのミスを誘い、正確なショットでポイントを獲得した。2月の全豪オープン決勝ではジョコヴィッチにストレート負けしたが、その借りを返した格好となった。

優勝がかかった第3セットの自らのサービスゲームでは、ダブルフォルトを3つ犯し、少しばかり危うさも見せた。このゲーム、ジョコヴィッチにブレークを許して5-3となったが、メドヴェージェフは気合を入れなおすと、3回目のチャンピオンシップポイントで優勝を決めた。

ネット越しにジョコヴィッチと心温まるハグを交わすと、メドヴェージェフは大きな笑顔を見せた。その後、いすに腰を下ろし、やっとグランドスラムの初タイトルを手に入れたことに、思いを巡らせている様子だった。

メドヴェージェフは、「私のチームと、ここで観戦してくれたみんなに感謝したい。両親、家族、姉妹たちにも。友人の何人かもここにいる」と述べた。

「みんなありがとう。グランドスラムで勝つのは簡単ではない。私がここまで来るのを助けてくれて、本当に感謝している」

一方のジョコヴィッチは、「グランドスラムのタイトルにふさわしい人が今いるとしたら、それはあなただ。よくやった。これからきっと、多くのタイトルを手に入れるだろう」と、メドヴェージェフに語りかけた。

また、観客に向け、「私は試合には勝てなかったが、いま地上で一番幸せな人物だ。みんなが私を、コート上の特別な存在にしてくれたからだ」、「みんなが私の心をゆさぶった。ニューヨークでこんな気持ちになったことはなかった。応援ありがとう。みんなを愛している」と語った。

国枝が優勝、上地は準優勝

車いすの部では、男子シングルス決勝で国枝が6-1、6-4でアルフィー・ヒューエット(23、イギリス)を破り、2年連続8回目の優勝を果たした。

一方、女子シングルス決勝では、ディーデ・デフロート(24、オランダ)が上地を6-3、6-2で下して優勝。同一年内にグランドスラムすべてと、パラリンピックのタイトルを獲得する「ゴールデンスラム」を達成した。

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